藍農園は、徳島県吉野川市山川町にあります。
吉野川市になる前は麻植郡(おえぐん)という地名で、麻を栽培して加工し、神事に必要な道具を作る「忌部(いんべ)氏」という部族が拠点としていた場所です。
麻を特別な薬品を使わずに染めることができるのは、柿渋と藍だと言われていますが、忌部氏は常に麻と一緒に藍を栽培していました。
山川町は、忌部氏が藍を産業的に栽培した最初の地と伝えられています。
徳島県内の藍農家は年々減少していますが、特に山川町内では、藍色工房が最後の一軒となりました。
畑の奥に見えている山は種穂(たなぼ)山と言って、忌部氏の中でも特に阿波を拠点にした「阿波忌部」の始祖である天日鷲命(あめのひわしのみこと)が頂上にお社を構えられ、このあたり一帯を統治するセンターとした山です。
後に、イギリス人の学者によってJapan
blueと讃えられた藍の色は、阿波忌部がこの地から日本各地に伝えたものだと言われています。
そんなJapan
blueの故郷で、農園の8代目となる代表の坂東さんのお父さんを中心に、毎年一年草のタデアイを栽培し続けています。